医学アラカルト No,4


  血圧の日内変動   

2005/01/24

日本医事新報2005年1月15日号の質疑応答Q&Aに面白い質問が出ているのでご紹介しよう。その質問とは「健常者の血圧の日内変動はどの程度か?」というものである。この質問に自治医大循環器内科教授 島田和幸先生がこうお答えになっている。概略を述べると、次の通り。「診察室で測定した値は単にその瞬間がその血圧値であったということにすぎない。1966年にオックスフォードで自由行動下の連続血圧を測定した血圧変動の記録によると、きれいな昼夜の24時間血圧日内変動が存在することがわかった。尿意を感じると血圧は上がり、喫煙でも一時的に上がる。飲酒後数時間は血圧低下が見られるが、翌朝酔いが醒めた頃には元の血圧値より高くなる。入浴中は42℃程度のお風呂では血圧は急激に上昇し、入浴後、体が温まった状態では血圧は低下する。したがって、家庭血圧の測定を患者に指導する時は、一時的な変動を引き起こす生活動作を避けた時間帯で行うことを指示すべきである」

健診でも時々「あれ、おかしいなあ。昨晩測ったときは正常だったのに・・・」といわれる方がいるが、上記のことを考慮すると、心当たりのあるヒトもいるのでは?と思うのである。健診時では尿検査の後で血圧を測定するので、尿意は問題外であり、前日午後9時からの飲食は控えていただくので、飲酒後数時間ということにもならない。また喫煙も健診日は当然控えていただくために問題とはならないであろう。となると、やはり家庭内で血圧測定する場合の条件が入浴後か否かという点が重要だということになる。入浴後血圧が低下した場合のみを自分の測定値と考えるとまずいということがこれで理解されただろう。血圧の日内変動の問題は健診の枠内でも重要な意味をもっているのである。

                             本部長 河井正康


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